第1節 貨物自動車運送事業者が遵守すべき事項(第3条―第15条)/貨物自動車運送事業輸送安全規則


(平成二年七月三十日運輸省令第22号)

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最終改正:平成一五年九月二六日国土交通省令第95号


 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)の規定に基づき、 貨物自動車運送事業輸送安全規則を次のように定める。


    第1節 貨物自動車運送事業者が遵守すべき事項

(過労運転の防止)
第3条  一般貨物自動車運送事業者及び特定貨物自動車運送事業者(以下「一般貨物自動車運送事業者等」という。)は、事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自動車の運転者(以下「運転者」という。)を常時選任しておかなければならない。
 前項の規定により選任する運転者は、日々雇い入れられる者、二月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。
 貨物自動車運送事業者は、運転者及び事業用自動車の運転の補助に従事する従業員(以下「乗務員」という。)が有効に利用することができるように、休憩に必要な施設を整備し、及び乗務員に睡眠を与える必要がある場合にあっては睡眠に必要な施設を整備し、並びにこれらの施設を適切に管理し、及び保守しなければならない。
 貨物自動車運送事業者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定めなければならない。
 貨物自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、飲酒その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。
 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、当該運転者と交替するための運転者を配置しておかなければならない。
 特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者は、当該特別積合せ貨物運送に係る運行系統であって起点から終点までの距離が百キロメートルを超えるものごとに、次に掲げる事項について事業用自動車の乗務に関する基準を定め、かつ、当該基準の遵守について乗務員に対する適切な指導及び監督を行わなければならない。
 主な地点間の運転時分及び平均速度
 乗務員が休憩又は睡眠をする地点及び時間
 前項の規定により交替するための運転者を配置する場合にあっては、運転を交替する地点

(過積載の防止)
第4条  貨物自動車運送事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってはならない。

(貨物の積載方法)
第5条  貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に貨物を積載するときは、次に定めるところによらなければならない。
 偏荷重が生じないように積載すること。
 貨物が運搬中に荷崩れ等により事業用自動車から落下することを防止するため、貨物にロープ又はシートを掛けること等必要な措置を講ずること。

(自動車車庫の確保)
第6条  貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の保管の用に供する自動車車庫を適切に確保しておかなければならない。

(点呼等)
第7条  貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
 疾病、疲労、飲酒その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
 道路運送車両法(昭和二十六年法律第185号)第47条の2第1項及び第2項の規定による点検の実施又はその確認
 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況並びに他の運転者と交替した場合にあっては第17条第4号の規定による通告について報告を求めなければならない。
 貨物自動車運送事業者は、前2項に規定する点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも一回電話その他の方法により点呼を行い、第1項第1号に掲げる事項について報告を求め、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
 貨物自動車運送事業者は、前3項の規定により点呼を行い、報告を求め、指示をしたときは、運転者ごとに点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容を記録し、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。

(乗務等の記録)
第8条  一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに次に掲げる事項を記録させ、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
 運転者の氏名
 乗務した事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
 乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離
 運転を交替した場合にあっては、その地点及び日時
 休憩又は睡眠をした場合にあっては、その地点及び日時
 車両総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の普通自動車である事業用自動車に乗務した場合にあっては、貨物の積載状況
 道路交通法(昭和三十五年法律第105号)第72条第1項に規定する交通事故若しくは自動車事故報告規則(昭和二十六年運輸省令第104号)第2条に規定する事故(第9条の2及び第9条の4第1項において「事故」という。)又は著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合にあっては、その概要及び原因
 第9条の3第3項の指示があった場合にあっては、その内容
 一般貨物自動車運送事業者等は、前項の規定により記録すべき事項について、運転者ごとに記録させることに代え、道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省令第67号)第48条の2第2項の規定に適合する運行記録計(以下「運行記録計」という。)により記録することができる。この場合において、当該一般貨物自動車運送事業者等は、当該記録すべき事項のうち運行記録計により記録された事項以外の事項を運転者ごとに運行記録計による記録に付記させなければならない。

(運行記録計による記録)
第9条  一般貨物自動車運送事業者等は、次に掲げる事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録し、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
 車両総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の普通自動車である事業用自動車
 前号の事業用自動車に該当する被けん引自動車をけん引するけん引自動車である事業用自動車
 前2号に掲げる事業用自動車のほか、特別積合せ貨物運送に係る運行系統に配置する事業用自動車(以下「運行車」という。)

(事故の記録)
第9条の2  一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、次に掲げる事項を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において三年間保存しなければならない。
 乗務員の氏名
 事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
 事故の発生日時
 事故の発生場所
 事故の当事者(乗務員を除く。)の氏名
 事故の概要(損害の程度を含む。)
 事故の原因
 再発防止対策

(運行指示書による指示等)
第9条の3  一般貨物自動車運送事業者等は、第7条第3項に規定する乗務を含む運行ごとに、次の各号に掲げる事項を記載した運行指示書を作成し、これにより事業用自動車の運転者に対し適切な指示を行い、及びこれを当該運転者に携行させなければならない。
 運行の開始及び終了の地点及び日時
 乗務員の氏名
 運行の経路並びに主な経過地における発車及び到着の日時
 運行に際して注意を要する箇所の位置
 乗務員の休憩地点及び休憩時間(休憩がある場合に限る。)
 乗務員の運転又は業務の交替の地点(運転又は業務の交替がある場合に限る。)
 その他運行の安全を確保するために必要な事項
 一般貨物自動車運送事業者等は、前項に規定する運行の途中において、同項第1号又は第3号に掲げる事項に変更が生じた場合には、運行指示書の写しに当該変更の内容(当該変更に伴い、同項第4号から第7号までに掲げる事項に生じた変更の内容を含む。以下同じ。)を記載し、これにより運転者に対し電話その他の方法により当該変更の内容について適切な指示を行い、及び当該運転者が携行している運行指示書に当該変更の内容を記載させなければならない。
 一般貨物自動車運送事業者等は、第1項に規定する運行以外の運行の途中において、事業用自動車の運転者に第7条第3項に規定する乗務を行わせることとなった場合には、当該乗務以後の運行について、第1項各号に掲げる事項を記載した運行指示書を作成し、及びこれにより当該運転者に対し電話その他の方法により適切な指示を行わなければならない。
 一般貨物自動車運送事業者等は、運行指示書及びその写しを運行の終了の日から一年間保存しなければならない。

(運転者台帳)
第9条の4  一般貨物自動車運送事業者等は、運転者ごとに、第1号から第8号までに掲げる事項を記載し、かつ、第9号に掲げる写真をはり付けた一定の様式の運転者台帳を作成し、これを当該運転者の属する営業所に備えて置かなければならない。
 作成番号及び作成年月日
 事業者の氏名又は名称
 運転者の氏名、生年月日及び住所
 雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
 道路交通法に規定する運転免許に関する次の事項
 運転免許証の番号及び有効期限
 運転免許の年月日及び種類
 運転免許に条件が付されている場合は、当該条件
 事故を引き起こした場合又は道路交通法第108条の34の規定による通知を受けた場合は、その概要
 運転者の健康状態
 第10条第2項の規定に基づく指導の実施及び適性診断の受診の状況
 運転者台帳の作成前六月以内に撮影した単独、上三分身、無帽、正面、無背景の写真
 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに、当該運転者に係る前項の運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを三年間保存しなければならない。

(乗務員に対する指導及び監督)
第10条  貨物自動車運送事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。
 一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、次に掲げる運転者に対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指導を行い、かつ、国土交通大臣が認定する適性診断を受けさせなければならない。
 死者又は負傷者(自動車損害賠償保障法施行令(昭和三十年政令第286号)第5条第2号、第3号又は第4号に掲げる傷害を受けた者をいう。)が生じた事故を引き起こした者
 運転者として新たに雇い入れた者
 高齢者(六十五才以上の者をいう。)
 前項の規定による認定は、次に掲げる基準に適合すると認められる者が実施する適性診断について行う。
 適性診断を実施する者の職員、診断の実施の方法その他の事項についての診断の実施に関する計画が診断の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
 前号の診断の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
 第2項の規定による認定を受けようとする者は、申請書に告示で定める事項を記載した書類を添付して国土交通大臣に提出しなければならない。
 第2項の規定による認定を受けた適性診断を実施する者の名称及び主たる事務所の所在地並びに適性診断の名称は、告示する。
 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に備えられた非常信号用具及び消火器の取扱いについて、当該事業用自動車の乗務員に対する適切な指導をしなければならない。

(異常気象時等における措置)
第11条  貨物自動車運送事業者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。

(安全の確保のための服務規律)
第12条  特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者は、当該特別積合せ貨物運送に係る事業用自動車の運行の安全を確保するための乗務員の服務についての規律を定めなければならない。

(点検整備)
第13条  貨物自動車運送事業者は、道路運送車両法の規定によるもののほか、事業用自動車の点検及び整備について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 事業用自動車の構造及び装置並びに運行する道路の状況、走行距離その他事業用自動車の使用の条件を考慮して、定期に行う点検の基準を作成し、これに基づいて点検をし、必要な整備をすること。
 前号の点検及び整備をしたときは、道路運送車両法第49条の規定に準じて、点検及び整備に関する記録簿に記載し、これを保存すること。

(点検等のための施設)
第14条  貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の使用の本拠ごとに、事業用自動車の点検及び清掃のための施設を設けなければならない。

(整備管理者の研修)
第15条  貨物自動車運送事業者は、地方運輸局長から道路運送車両法第50条の規定により選任した整備管理者について研修を行う旨の通知を受けたときは、整備管理者に当該研修を受けさせなければならない。

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